Q & A
Q.乳酸菌バクテリオシン「ナイシンA」の特徴は?
九州大学農学研究院 生命機能科学部門の園元謙二教授の研究室では、古来より食してきた安全性の高い乳酸菌が作る抗菌ペプチド(たんぱく質)に注目し、地元企業とさまざまな共同研究を行ってきました。
その成果の一つとして、世界的に有名なバクテリオシン「高純度ナイシンA」の実用化(製剤化)に成功しています。
ナイシンは、乳酸菌(Lactococcus lactis)が作る小さなたんぱく質(34個のアミノ酸からなるペプチド)です。
主に、ナイシンを作る乳酸菌と近縁な細菌(グラム陽性菌)に抗菌作用を示します。
その抗菌メカニズムは、対象となる細菌の細胞膜に孔を開けることにより、死滅させます。
このナイシンは、3つの類縁体(「ナイシンA」,「ナイシンZ」,「ナイシンQ」)が存在します。1928年に発酵乳から分離された乳酸菌が作る「ナイシンA」が最初の発見です。
実用化は、1953年に英国の会社が「ナイシンA」製剤を最初に販売しました。
その後、1969年に国際機関 WHO/FAOで、1988年には米国のFDAにより、その安全性が認められています。
その結果「ナイシンA」は、世界50ヶ国以上で、安全な食品保存料として使われるようになりました。
日本においても、ようやく2009年に厚生労働省や食品安全委員会での審議を経て、また遺伝毒性試験、発がん性試験、その他の試験を全てクリアし安全な食品と認められました。
さらに数ある乳酸菌バクテリオシン(抗菌ペプチド)のなかでも、「ナイシンA」のみにある最大の、唯一の特徴は安全性です。
世界中では様々な乳酸菌バクテリオシン(抗菌ペプチド)が発見されていますが、WHOはじめ世界の保健機関や米国FDAでのGRAS認定、日本の厚生労働省で安全性についての検討の結果、食用認可されているのは「ナイシンA」が唯一の乳酸菌バクテリオシン(抗菌ペプチド)であり、その他の乳酸菌抗菌ペプチドは未認可物質となっています。
抗菌ペプチドのなかで「ナイシンA」のみが人体への安全性が担保されている特徴があります。
Q.福岡県産おから由来の「ナイシンA」とは?
園元謙二教授の研究室で使用した乳酸菌は、福岡県産の豆腐の“おから”から見つけた乳酸菌(Lactococcus lactis)で、世界中の乳酸菌の中で「ナイシンA」をつくる能力が最も高い乳酸菌といえます。
この優れた乳酸菌の発酵液を精製し、「ネオナイシン-e®」に用いる安定性「高純度ナイシンA」が作られます。
Q.「高純度ナイシンA」とは?
一般的な乳酸菌の発酵液(ヨーグルトの上澄み液・ホエイ等)は、安定性が低く分解しやすく、また塩分が多く白濁し臭いがあるものとなります。
「ナイシンA」も、乳酸菌の発酵液に大量の塩を投入し、たんぱく質を沈殿させる塩析法で製造されています。
そのため、「ナイシンA」以外のたんぱく質や塩分が多く含まれ、味への影響が懸念され、口腔用衛生剤として利用する目的では好ましくありませんでした。
発酵液は塩辛く濁ったお味噌汁のようなもので、また「ナイシンA」にはたんぱく質や塩分が多く含まれ、用途としては塩分を用いるハムやソーセージ、チーズといった食品の天然保存料に用途は限定されていました。
もし仮に「ナイシンA」を、口腔ケア用製剤として効果が期待できる量を製品に用いる場合は臭いが強く、味が塩辛い製品になってしまいます。
その弱点を克服するため、そのまま口に入れても気にならない品質(味・臭い・安定性)の「ナイシンA」を目指し独自の分離精製技術の開発に力を注ぎ、10年間の研究開発を経て「高純度で透明」、「塩フリーで無味無臭」、「液状で溶解性に優れ、安定性の高い」、高精製の「高純度ナイシンA」を開発しました。
これは世界にない独自技術であり、「高純度で透明」、「塩フリーで無味無臭」、「液状で溶解性に優れ、安定性の高い」、「高純度ナイシンA」は世界で唯一の製剤となります。
Q.「ネオナイシン-e®」とは?
「高純度ナイシンA」は、病原性の黄色ブドウ球菌や虫歯菌などのグラム陽性菌に対して強い抗菌効果を示すことが確認されていますが、
大腸菌や歯周病原因菌などのグラム陰性菌、カンジダ菌や真菌に対する抗菌効果が無い、といった弱点を持っています。
そこで、さまざまな天然物質の選定試験より、植物由来の「梅エキス」・「ダマスクローズ精油」を選定しました。
「梅エキス」・「ダマスクローズ精油」をはじめ植物由来の抗菌物質は、古来より抗菌性があると言われていますが、一定の濃度が必要であるため、口腔用途には適さない強い味を示します。味に影響しない濃度では、抗菌効果は示さなくなります。
このように、単独ではグラム陰性菌やカンジダ菌に対して抗菌効果を示さない物質でありますが、研究を重ねた結果、「高純度ナイシンA」のグラム陰性菌・カンジダ菌に対する抗菌効果が認められる必要最低限の植物エキスの配合比を見出しました。
この独自配合比の天然抗菌剤が「ネオナイシン-e®」であり、今まで効かなかったグラム陰性菌やカンジダ菌に対する抗菌効果と味への影響の少ない新しい口腔用抗菌剤として製剤化しました。
「ネオナイシン-e®」は、口腔内病原菌を減少させる効果のある天然成分100%の抗菌剤でありますが、誤飲で摂取した場合でも体内消化酵素で速やかにアミノ酸に分解され安心である点に大きな優位性を持っています。
これは、環境中に排出された場合も同様で、土壌中でアミノ酸にまで生分解されるため、生物生態系の一つの栄養物質として循環し、環境に調和した優しい抗菌剤ともいえます。
「ネオナイシン-e®」は、飲んでも安心でありながら、瞬時に虫歯菌、歯周病菌・カンジダ菌への殺菌効果のある、人や自然環境に優しい新しい時代の天然抗菌剤として世界中での有効活用が期待されています。
Q.「ネオナイシン-e®」の特徴は?
大きな特徴は、
「食べることのできる植物由来の食品である福岡県産の「おから」から発見された菌から生産され、
口腔内の幅広いトラブル原因菌を、
超低濃度で瞬時に殺菌しながら、
飲み込んだ場合は腸管内でアミノ酸として消化・分解され安全、
また吐き出した場合は自然界で速やかに生分解され、
人にも地球にも優しい新しい時代の抗菌剤である」
点です。
Q.「ネオナイシン-e®」と茶カテキン・ヒノキチオール ・マスティック・ターメリック・ハーブ等の植物毒系抗菌剤との違いは?
大きな違いは、
「植物毒系抗菌剤と比べて超低濃度で殺菌するか」、
「飲み込んだ場合、分解されるかされないか」、
「殺菌作用に、副作用を伴うか伴わないか」
という点です。
これまでの植物毒を活用した抗菌剤は、殺菌効果を発揮させるためには濃度を濃くしなければならず、そうすると副作用が起きてしまう課題が常にありました。
口腔内の細菌も殺菌しますが、間違って飲み込んだ場合は分解しにくい特徴から、腸管内の良い働きをする細菌までを殺菌してしまい、おなかを壊してしまうという副作用が起きます。
また地球の歴史における生存競争において、生物に対する対抗力としての植物の毒性、すなわち菌への対抗力(抗菌性)は、上手に使えば細菌だけを退治することができます。
しかし、生物である人間に用いる場合は、腸管内や皮膚には細菌が存在し、それを切り離すことができないため、悪い細菌を退治するためには、人体の良い部分も傷つけてしまう、
体内の良い働きをする菌も殺してしまう、体内で解毒分解するために内臓器官に負担がかかる、また奇形児が産まれるといった遺伝的な副作用が伴ってしまう課題があります。
「ネオナイシン-e®」は、「超低濃度で高い抗菌活性を示す」、「飲み込んだ場合は分解」、「副作用を伴わない」ということが、世界中の保健機関で証明された点が大きな違いといえます。
植物による抗菌剤は、植物エキスの濃度を濃くするために植物を蒸留して得る精油や濃縮抽出して得られるエキス、樹脂があります。
動物が好んで食べない植物は地球誕生からの長い間、自身を食べてしまう動物や虫、微生物、カビとの生存競争の中で生き残るために、食べられないための毒性を進化させてきました。
それらの毒性を反利用し、人間は古来から薬草や漢方薬として、煮詰めたり濃縮したりして効果を強くし、薬に用いてきました。薬として用いられてきた植物に含まれる薬効成分は現代科学では徐々に解明されてきていますが、すべては解明されていない現状です。
植物由来の抗菌物質は、使用量や使用方法によっては有益な効果をもたらしますが、臨床上の効果が期待できる量・濃度と体への安全性には課題があります。
例えば、日本には抗菌・防腐作用から家の柱やご飯のお櫃、風呂桶に活用されてきたヒノキという木があります。
ヒノキは日本の様な高温多湿の森林において、微生物や細菌、カビや虫から自分が蝕まれないために、防御のための毒性を持つ様に進化してきたのです。
その樹木エキスから得られるヒノキチオールという物質は少量であればシロアリ忌避やご飯の保存に有用ですが、細菌等の生きものへの殺菌効果を持つほどに濃縮・高濃度にした場合、ラットの実験では奇形児のリスク(催奇性の副作用)が報告されております。
よって妊婦や乳幼児、女児、女性への使用には課題があり、類似の樹木エキスを活用した口腔用抗菌製品は、日本以外の海外ではほぼ作られていない現状があります。
また、飲んでも安全なお茶についても、その成分であるカテキンを濃縮・高濃度にして服用した場合、カナダの保健機関によって肝機能障害が報告され、使用量を正しく知ることが重要とされています。
つまり、植物の毒性は生物である菌を殺すこともできますが、同時に生物である人間を傷つけることにもなり得るのです。この作用・反作用は、癌細胞に対する抗癌剤の効果と、それに伴う健康な細胞に対してのダメージにも似ています。
どんな薬も使い様で、良い働きもするし、害にもなりますが、濃度を濃くしターゲットの菌を殺菌する量にすると副作用も強くなってしまいます。
そして、高濃度にした場合、人や動物が口に入れることのできる刺激と味、肌に塗ることのできる刺激と香りを両立させることも、これまで難しい課題でした。
さらに樹液系のヒノキチオール等は、プラスチックチューブも剥離させてしまう強さもあり、包装の課題や、うがいや吐き出しのできない体の弱った要介護の高齢者や、闘病中の患者様、障害のある方の口腔や皮膚への使用による容態の変化や内臓への負担には不安が残ります。
当研究チームも、効果と人体への安全性を両立する新たな抗菌剤の研究開発において、過去に様々な研究報告のあるヒノキチオールや茶カテキンはじめ、
ヨーロッパの抗菌ハーブ、マスティック樹脂、アジアのターメリック、中国のショウガや漢方、日本のワサビやシソ、アメリカ・アフリカ・南米など世界で薬草や食品に使われてきた世界中の植物エキス、植物抗菌剤、またプロポリス等の植物から動物が生産する動物生産抗菌剤を有効に活用しようと、
10年以上の研究時間を割いてきました。
これら植物抗菌剤は特許性のない成分ですので、研究開発や製品には容易に活用することができます。
しかし、薬は量で使い様ですが、シャーレでの実験上では、ターゲットの菌を退治することのできる植物系抗菌剤も、実際の臨床上で人体に使用し、ターゲットの菌を退治する濃度にした場合、どうしても副作用も大きくなり、本当に家族にも使わせたい製品にするための研究開発には、多くの困難を伴いました。
そして10年以上にわたる、世界中の植物抗菌剤の分類での抗菌力の比較、また乳酸菌抗菌ペプチドとの相乗効果での抗菌力の測定、また臨床上の効果と安全性の評価などを重ねた結果、最も効果と安全性の高いといえる、日本人をはじめとした人類が古くから食べてきた食用植物(梅エキス)と乳酸菌抗菌ペプチド「ナイシン」との組み合わせによる相乗効果の研究成果にたどり着いたのです。
その作用機構は、ターゲット細菌の細胞膜の認識部位(リピッドⅡ)に吸着し、瞬時に孔を開けて細菌を殺菌します。そして抗菌性という役目を終えた後は、アミノ酸として速やかに生分解します。
そして、また一般の抗菌剤・抗生物質と比べて超低濃度(10億分の1、ppbレベル)で高い抗菌活性を示すことも、人類にとって大きな有益性があります。
植物抗菌剤で有名な茶カテキンの殺菌効果を1とした場合、「ネオナイシン-e®︎」は、茶カテキンおよびヒノキチオールの数千倍の殺菌力を持ちます。つまり数千分の一の超低濃度で同じ殺菌効果を発揮できるのです。
「ネオナイシン-e®」は、数千年前から人類が食べてきたチーズから約100年前にイギリス人によって発見され、WHOはじめ先進国の保健機関、また日本の厚生労働省での反復投与毒性、発がん性、生殖発生毒性、遺伝毒性等の安全性の検証を経て50カ国以上で食品に使用される低濃度の「ナイシンA」と、
古来から日本人が食べてきた梅など、食用や肌に使用し安全性が確立された微量の食用植物から作られます。
ターゲット細菌への即効性と人体への安全性が最大の違いといえます。



Q.「ネオナイシン-e®*」と乳酸菌自体との違いは?
大きな違いは、「即効性」と「安全性」です。
乳酸菌自体と異なり、「ナイシンA」の特徴としては、
1)耐熱・耐酸性
(乳酸菌自体は熱や酸に弱い)
2)一般の抗菌剤・抗生物質と比べて超低濃度(10億分の1、ppbレベル)で瞬
時に殺菌する
(乳酸菌自体に殺菌力は無い)
3)耐性菌が生じにくい
(乳酸菌自体には即効性がない)
4)MRSAやVREなどの多剤耐性菌も殺す
(乳酸菌自体に殺菌力は無い)
5)目的の有害菌のみを殺す
(乳酸菌自体に殺菌力は無い)
6)無味・無臭
(乳酸菌自体には匂いや味がある)
があげられます。
世界的な乳酸菌研究の第一人者である、日本乳酸菌学会会長、日本生物工学会会長を歴任された工学博士である、九州大学大学院農学研究院生命機能科学部門の園元謙二名誉教授による当研究プロジェクトは、20年以上にわたり世界中から集めた数百種に及ぶヒト由来、動物由来、昆虫由来、植物由来の乳酸菌研究、特に乳酸菌の持つ抗菌性について研究を続けてきました。
九州大学農学研究院の園元謙二名誉教授は、これまで20種類以上の新規乳酸菌抗菌物質(抗菌ペプチド、バクテリオシン)を発見、世界一の発見数を誇るトップ研究者で世界の第一人者です。
教授は、この20年以上に渡って新たな乳酸菌抗菌物質を発見しようと、世界中から集めた数百種に及ぶ乳酸菌の抗菌性のスクリーニング、効果、安全性の評価を行なってきました。
しかし、20年間世界中から集めたヒト由来、動物由来、昆虫由来、植物由来のどの乳酸菌抗菌物質も、「ナイシン」以上の抗菌活性を持ち得ないという検証結果となりました。
そして世界中の他の大学や企業、研究機関においても、約100年前に発見された「ナイシン」を超える殺菌力を持つ抗菌ペプチドを、未だに発見出来ていない事実があります。
つまり、約100年前の技術や知識でも発見できるほどの強烈な抗菌活性が「ナイシン」にはあったとも言え、それ以上の物質はもしかしたら地球上には存在しないとも考えられます。
また安全性についても、数千年前から人類が口にしてきたチーズ、約100年前に発見されWHOはじめ世界の保健機関で研究や評価が行われてきた「ナイシン」を超える安全性を持ち得る抗菌ペプチドも、存在しない、また発見しても人類に役立てるまでに効果や安全性を検証していくにはさらに何十年もかかるものと考えられます。
以上のことから、約100年前に発見され、安全性が世界で証明され、強い殺菌力を持つ「ナイシン」をさらに深く研究することが、困難に直面する人類の発展にいち早く寄与することと、当研究チームは考えました。
世の中には、乳酸菌自体を配合した食品や化粧品などがたくさんあります。
それは乳酸菌の持つ有用性、特に抗菌性を訴求する製品は、抗菌物質つまり抗菌ペプチド等の効果を期待しての製品といえます。
乳酸菌は食べられるものであり、安全性の訴求ということでは、乳酸菌配合の抗菌性のある製品としては非常に良いイメージが出来ます。
そして現在も毎年、様々な乳酸菌が世界中で発見されています。
「ナイシン」を産出する乳酸菌は、「Lactococcus lactis(ラクトコッカス ラクティス)菌」というものになります。
「Lactococcus lactis菌」にもたくさんの種類があり、「ネオナイシン-e®︎」に活用しているものは九州大学の園元謙二教授が、2002年に福岡県産のおからの中から発見した「ナイシン」を安定的に大量に産出する特別な乳酸菌株となります。
そしてこの生きた「Lactococcus lactis菌」を配合したヨーグルトや飲料、食品や口腔ケア製品、肌用の化粧品も作ることができます。
またその乳酸菌配合製品は、生きて作用する乳酸菌であれば、家庭でヨーグルトなどにして増やして活用する事も可能です。
しかし、口腔ケア用途や皮膚用途としての乳酸菌配合製品には以下の様な大きな課題があるのです。
生きた乳酸菌(プロバイオティクス)はそれ自体に抗菌性はなく、自ら過酸化水素、アルデヒド、乳酸菌抗菌ペプチド(バクテリオシン)等の抗菌物質を作り出すことで抗菌性を発揮します。
しかし、約700種類の細菌が最大1兆個ほど生息している口腔内で、実際に抗菌作用を発揮するには4つの大きなハードルがあります。
1つ目のハードルは、口腔内に乳酸菌を定着させることが難しいという点です。
実際には、唾液や飲み物、歯みがきなどにより簡単に洗い流されてしまうのです。
また、腸内細菌の場合と同じく、市販のヨーグルト等から摂取した乳酸菌もすでに住んでいる多くの種類の腸内細菌の激しい生存競争の中で数日で体から排出され、実際に腸内に住み着くケースは難しいように、口腔内への外部からの菌の定着は難しい現実がありました。
2つ目のハードルは、臨床上での即時性と殺菌効果が期待できない点です。
仮に摂取した乳酸菌が口腔内常在菌のなかで定着できたとしても、口腔内環境に影響されやすく抗菌物質の産出量は未知数、また産出・抗菌効果が生まれるまでに数十分以上の時間を要する。
また摂取した乳酸菌数で最大1兆個を超える口腔内常在菌に対して影響を与えるには、大量の乳酸菌を必要とすることになります。
しかし、一度に使用する口腔ケア製品に含まれる乳酸菌の個数でどのくらいの影響を与えられるかは、実際には臨床上の課題がありました。
また大量のヨーグルトを食べたり、乳酸菌を摂取することは実際難しいという課題がありました。
また大量の乳酸菌やヨーグルトを口腔内に含んでいるということは、歯を酸蝕してしまう副作用につながってしまいます。
つまり唾液や飲み物、歯みがきなどにより洗い流さなければならず、臨床上の効果に課題がありました。
3つ目のハードルは、製品にする場合は乳酸菌が死んでしまい殺菌効果が期待できない点です。
生きた乳酸菌は常温では腐ってしまうため、歯磨きジェルや洗口液のような口腔ケア製品、肌用の化粧品にするには合成保存料(パラベン・別名パラオキシ安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸K、フェノキシエタノール、フィチン酸等)、アルコール(エタノール)、植物精油を加える必要があります。また合成殺菌剤(CPC・別名塩化セチルピリジニウム等)や炭酸水素ナトリウム(重曹・アルカリ)、石鹸(アルカリ)を配合する場合もあります。
そうすると菌は死滅してしまい、死んだ菌からは抗菌物質の産出は期待できず、乳酸菌の配合は意味のないものになってしまいます。
保存料により死んでしまった死菌および加熱処理済の死菌は、死んでいるため口腔内で働くことはありません。
腸内においては死菌は腸内細菌のエサになる可能性についての報告はありますが、口腔内においての死菌の働きについては世界的に証明されておらず、課題がありました。
そして最後の4つ目のハードルは、人体への安全性が証明されていない点です。
生きた乳酸菌もしくは死んだ乳酸菌(加熱処理済等で殺菌した死菌)に、殺菌効果を有する実験データがある場合は、菌が産出する・産出した過酸化水素、アルデヒド、抗菌ペプチド(バクテリオシン)等の抗菌物質の存在が考えられます。
殺菌作用が、乳酸菌が産出する過酸化水素やアルデヒドは人体への影響が危惧されます。
また抗菌効果が何らかの乳酸菌抗菌ペプチド(バクテリオシン)の場合は、新たな課題がありました。
それは、乳酸菌抗菌ペプチド(バクテリオシン)はヒト・動物・昆虫由来も含め世界で100種ほど発見されていますが、細胞障害性、反復投与毒性、発がん性、生殖発生毒性、遺伝毒性等の検証を経て食品添加物としてWHOはじめ日本で認可されているものは「ナイシンA」のみとなるからです。
その他の新規乳酸菌抗菌ペプチド(バクテリオシン)は、乳酸菌由来とはいえ、安全性が検証・確立していない、毒性情報のない未認可の物質となり、誤って飲み込んでしまうケースも起こりうる、うがいや吐き出しが苦手な乳幼児やお年寄り、障害のある方、ペット、化学合成成分を摂取したくない妊婦等の使用には課題がありました。
新たに発見されている乳酸菌抗菌ペプチド(バクテリオシン)は、副作用は未だ報告されてないというものも多いですが、世界的な研究が進んでないためであり、そのリスクについては今後はわからないのが実情です。
以上のことから、これまで乳酸菌そのものの口腔ケア製品や肌用の化粧品への活用は期待される要素に課題がありました。
これら4つのハードルを克服したのが「ネオナイシン-e®」です。
「ネオナイシン-e®」は、植物由来の乳酸菌が産出する、WHOはじめ先進国の保健機関での安全性の検証を経て世界中50カ国以上で食品に使用され、日本の厚生労働省でも認可された乳酸菌抗菌ペプチド(バクテリオシン)の「ナイシンA」を菌から分離・精製した後、微量の可食植物成分と組み合わせ、より活性を高めた天然抗菌剤です。
その作用機構は、ターゲット細菌の細胞膜の認識部位(リピッドⅡ)に吸着し、瞬時に孔を開けて細菌を殺菌します。そして抗菌性という役目を終えた後は、アミノ酸として速やかに生分解します。
そして、一般の抗菌剤・抗生物質と比べて超低濃度(10億分の1、ppbレベル)でも高い抗菌活性を示し、少量でも非常に高い殺菌効果が得られる、殺菌効率が高いという人類への有益性があります。
ターゲット細菌への即効性と人体への安全性、少量での効果の高さが最大の違いです。


Q.「ネオナイシン-e®*」と他の「乳酸菌培養・発酵・生成エキス」「酵素」等との違いは?
「ネオナイシン-e®*」の成分上の表示は、「乳酸菌培養エキス」・「梅果実エキス」・「ダマスクローズ油」となります。
「ネオナイシン-e」は、以上の成分の合剤となるためです。
通常の「乳酸菌培養・発酵・生成エキス」とは乳酸菌を発酵させた液体であり、多くの場合はヨーグルトの上澄みのようなものです。
そしてその発酵液の中には、水分や不純物、塩分など多くのものが混濁しています。
一方、「ネオナイシン-e」に使用している「乳酸菌培養エキス」は他の発酵液と大きく異なり、乳酸菌を発酵させた発酵液から、乳酸菌が作り出した抗菌ペプチド「ナイシンA」のみを独自のバイオテクノロジー技術により単独分離・高度精製したものとなります。
通常の乳酸菌発酵液からは10分の1程の量しか取り出すことはできない、製造コストも手間も10倍以上かかる、純度の高い乳酸菌抗菌ペプチド液としての「高精製ナイシンA」となります。
高精製された「ナイシンA」は、その純度や精製度、安定性や効果について、通常の乳酸菌の発酵液とは100倍以上の差が出ます。
九州大学等との産学連携により研究開発された特許取得成分「ネオナイシン-e」は、成分表示上は他の「乳酸菌培養・発酵・生成エキス」「酵素」等と同じような名称ですが、その内実はまったく次元が異なるものなのです。
Q.「ネオナイシン-e®*」に用いられる乳酸菌は何由来ですか?
食べれるイメージの「乳酸菌」といってもその生息場所・由来は様々です。
イメージの良い「乳酸菌」といっても、菌種・菌株によって全く異なるものになります。
地面や河川、虫や動物、人間由来の乳酸菌等もあります。また動物の腸管(糞便)や排泄物、ドブやヘドロに生息する乳酸菌もいます。
歯磨きができないが虫歯・歯周病になっていない人の口に溜まった歯垢(プラーク)から発見した乳酸菌や、他人の糞便や垢から発見された乳酸菌などもあります。
そして実際には、乳幼児や子供の糞便や歯垢の菌よりも、大人の糞便や歯垢の菌株の方が強い場合が多く、大人の人間の糞便や歯垢から分離した菌を用いていることが多いのが実情です。
しかし、そうした他の人の糞便や歯垢の菌を発酵してつくるヨーグルトや飲料、口腔製品は、消費者志向として自身や家族、子供や患者さんの口には入れたくない、肌には塗りたくない、という大きな課題がありました。
また、それらの糞便由来や歯垢由来の菌の「発酵物」に混入するであろう抗菌ペプチド(バクテリオシン)については、その生息場所から雑菌への力がある可能性はありますが、「ナイシンA」以外の抗菌ペプチド(バクテリオシン)はWHOはじめ世界の保健機関、日本の厚生労働省でも安全性の検証がされていない未認可物質となっています。
オーラルピースに配合される乳酸菌「Lactococcus lactis(ラクトコッカス ラクティス)菌」は、清潔で安全な食べ物である、福岡県産の豆腐のおからから発見された乳酸菌です。
そして、世界中で認可された乳酸菌抗菌ペプチド「ナイシンA」を量産する植物由来の食品に生息する乳酸菌であり、日本乳酸菌学会元会長である九州大学の園元謙二名誉教授の数十年に渡る研究成果です。
オーラルピースに用いている乳酸菌は、豆腐のおからという食べられる植物由来の食べ物の中から見つかった清潔で安全な乳酸菌を活用しておりますので、安心してお口に入れていただけます。
皆様のお口に入れる乳酸菌の種類・由来については、それぞれ菌の名前からインターネット等で調べていただくことをお勧めいたします。
Q.「動物(人や家畜等)由来の乳酸菌(人や動物の糞便等に住む菌)」は使用していますか?
一切使用していません。
前述の様に、この点は九州大学農学部の食品にも活用できる乳酸菌バクテリオシン研究の世界第一人者の研究者をはじめとした長く深い研究の背景による、世界的に大きなオーラルピースの優位性となります。
オーラルピースは、「お口に入れる」製品として、
人や動物の糞便等から発見された、「動物」の腸管内の「排泄物」等に住む「動物由来の菌」ではなく、
「ネオナイシン-e®︎」の生産時に活用する乳酸菌についても、
福岡県産の「おから」から発見された「植物」であり、「食べ物」に住む「植物由来の菌」である「Lactococcus lactis(ラクトコッカス ラクティス)菌」を使用しています。
皆様のお口に入れる乳酸菌の種類・由来については、それぞれ菌の名前からインターネット等で調べていただくことをお勧めいたします。
Q.「ナイシン」と「ネオナイシン-e®」は違うのですか?
大きな違いは、
「『グラム陰性菌』・『カンジダ菌』を殺菌するか、しないか」、
「『高安定性』と『無味無臭』であるか、ないか」
です。
約100年前にイギリスでチーズの中から発見され、これまで食品への安全な保存料として世界50ヶ国で用いられてきた「ナイシン」は、「グラム陽性菌」(口の中では虫歯菌等のみ)にしか殺菌効果がなく、歯周病菌や誤嚥性肺炎原因菌、口臭の原因である「グラム陰性菌」、また「カンジダ(酵母・真菌)」は殺菌しない課題がありました。
歯磨きの重要性が歯科医師の先生および歯科衛生士の啓蒙努力により浸透し、虫歯の罹患率が下がる一方で、高齢化が進むなか歯周病や誤嚥性肺炎、口腔カンジダ等が増加する現代において、口腔内のトラブル原因菌である「グラム陽性菌」・「グラム陰性菌」・「カンジダ菌」を網羅して殺菌する抗菌剤が求められていました。
そして一般的な「ナイシン」は安定性が低く分解しやすく、また塩分が多く白濁し臭いがあるものとなります。塩辛く濁ったお味噌汁のようなものなので、用途としては塩分を用いるハムやソーセージ、チーズといった食品の天然保存料に用途は限定されていました。
もし仮に「ナイシン」を、口腔ケア用製剤として効果が期待できる量を製品に用いる場合は臭いが強く、味が塩辛い製品になってしまいます。
味に影響しない少量の添加の場合、つまり塩辛くない・匂いのない「ナイシン」配合製品は、実際には意味のない製品になってしまいます。
その弱点を克服したのが「ネオナイシン-e®」です。産学官の連携により、そのまま口に入れても気にならない品質(味・臭い・安定性)の「ナイシンA」を目指し独自の分離精製技術の開発に力を注ぎ、10年間の研究開発を経て「高純度で透明」、「塩フリーで無味無臭」、「液状で溶解性に優れ、安定性の高い」、高精製の「ナイシンA」を開発。
これは世界にない独自技術であり、「高純度で透明」、「塩フリーで無味無臭」、「液状で溶解性に優れ、安定性の高い」、「高精製ナイシンA」は世界で唯一の製剤となります。
さらにこれまで「グラム陽性菌」だけにしか殺菌効果がなかった「ナイシン」の課題を、食用植物エキスを独自の配合比で組み合わせることで、「グラム陰性菌」や「カンジダ菌」への抗菌スペクトルを拡大。
今までの「ナイシン」の弱点を克服し、天然抗菌剤として理想的な「ネオナイシン-e®」の発明と特許取得に至りました。
そして2013年に世界で初めて乳酸菌抗菌ペプチド(バクテリオシン)の医療・化粧品用途への道を拓くことに。「ナイシン」と「ネオナイシン-e®」は表記は似ていますが、その実はまったく異なるものとなったのです。



Q.「ネオナイシン-e®」はウイルスを消毒しますか?
しません。
細菌とウイルスは異なるものです。
細菌とは小さな生物です。一つの細胞しかないので単細胞生物と呼ばれます。
細菌は、栄養源さえあれば自分と同じ細菌を複製して増えていくことができます。人の体に侵入して病気を起こす有害な細菌もいます。一方で人の生活に有用な細菌も存在します。人の体には多くの種類の細菌がいて、口の中から皮膚表面、腸の中の環境を保っています。
ヒトに病気を起こすことがある細菌として、大腸菌、黄色ブドウ球菌、結核菌などが知られています。抗菌剤(抗生剤、抗生物質)は細菌を退治するための薬です。
一方ウイルスとは、細菌の50分の1程度の大きさで、とても小さく、自分で細胞を持ちません。ウイルスには細胞がないので、他の細胞に入り込んで生きていきます。ヒトの体にウイルスが侵入すると、ヒトの細胞の中に入って自分のコピーを作らせ、細胞が破裂してたくさんのウイルスが飛び出し、ほかの細胞に入りこみます。このようにして、ウイルスは増殖していきます。
ヒトに病気を起こすことがあるウイルスとして、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、コロナウィルスなどが知られています。
ウイルスは大きさや仕組みが細菌と異なるので抗菌剤(抗生剤、抗生物質)は効きません。
世界でも抗ウイルス薬はまだ少数しか開発されていません。
「ネオナイシン-e®」についても同じく、細菌には効果がありますが、ウイルスを消毒することはできません。
ただ、ウイルスは単体では存在できず、必ず単細胞生物の細菌等を宿主として増加します。そのために宿主となる細菌の繁殖を抑えることも感染予防につながります。
インフルエンザウイルスの場合は、呼吸や接触に伴って鼻や口から気道に入ります。
しかし、口の中の健康状態がインフルエンザウイルス感染の重症化と関係があるということは、あまり知られていないようです。
口の中の雑菌は、その代謝産物としてプロテアーゼやノイラミニダーゼなどの酵素を排出しています。プロテアーゼはタンパク質を破壊し、不潔な状態であると粘膜の弱い部分からウイルスが侵入しやすくなります。特に歯周病の程度が進行しているほど組織のダメージが大きいので罹患(りかん)しやすくなります。
タミフル、リレンザなどの抗ウイルス薬はウイルスに直接作用するわけではなく、プロテアーゼやノイラミニダーゼのはたらきを抑え、インフルエンザウイルスを細胞内に閉じ込めることで感染が広がるのを防ぎます。
そして「ネオナイシン-e®」は、プロテアーゼやノイラミニダーゼなどの酵素を産出する口腔内細菌を瞬時に殺菌します。
また、雑菌が多いとタミフルやリレンザの効きが悪くなるので、罹患したら治癒を早めるためにも、口腔内細菌の繁殖を抑え、口の中を清潔にするための口腔ケアは大切です。
神奈川県歯科医師会によれば、口腔ケアを徹底すると、インフルエンザ発症率が10分の1に激減したとの報告があります。
インフルエンザウイルスの感染経路は、「飛沫感染」と「接触感染」の2つです。
大切なことは自身の免疫力を高めると同時に、侵入をブロックするための鼻呼吸や外出時のマスク、戻ったら手洗いうがい、口腔ケアなどを行い、清潔にすることが大切といえます。
*新型コロナウイルスに関しては、未知のウイルスのため確認中です。
Q.「ネオナイシン-e®」は耐性菌を作りますか?
作りません。
約100年前にチーズの中から「ナイシン」を発見したイギリスをはじめ先進国や世界の研究機関において、「ナイシン」の耐性菌の出現の研究報告はありません。
乳酸菌が作り出すたんぱく質・バクテリオシンである「ナイシン」は菌への即時作用の特徴から、時間をかけて作用する抗生物質と異なり(菌が耐性を作り出すには時間を要する)、菌に時間を与えず耐性菌を作らせない特徴があります。
Q.「ネオナイシン-e®」の体への影響は?
「ナイシン」は、伝統的な発酵食品であるヨーグルトやチーズ、ぬか漬けに自然に含まれているたんぱく質であり、人類が古来から食べてきた食べ物です。
科学の進歩により、1928年にイギリスでチーズの中から発見された「ナイシン」は、1969年にWHOとFAOにより認可、アメリカでは1988年に一般的に安全(GRAS)認定され、経口摂取、粘膜吸収のいずれの方法でも人体に安全な天然抗菌剤として、先進国はじめ世界50か国以上で使用が認められています。
イギリス、フランスなどでは、チーズなどへの使用許可量は無制限とされ、日本においても2009年に厚生労働省や食品安全委員会での審議を経て、また遺伝毒性試験、発がん性試験、その他の試験を全てクリアし安全な食品と認められました。
参考に、食品の安全性を評価するGRAS(generally recognized as safe)判定とは以下の通りです。
米国食品医薬品局(FDA)は食品添加物について、人体への安全性を評価する科学的な試験と厳しい安全基準である「無害であるという論理的な確実性」を証明するための諸々のデータと検証を元に、GRAS(generally recognized as safe)つまり一般に安全であると認められる判定を行なっています。
「ナイシン」は1988年に様々な検証を経て、「塩」、「酢」、「スパイス」、「辛子」、「醤油」などと同じく、GRAS判定を受けています。
また、日本の厚生労働省による「ナイシン」評価資料も参考にしていただけます。
厚生労働省 食品安全委員会 添加物専門調査会
2007年8月 ナイシン評価書
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/10/dl/s1024-15d.pdf

Q.「ネオナイシン-e®」はヒトの細胞も壊しますか?
壊しません。
世界の研究機関による研究や安全性検証において、「ナイシンA」は細菌のみを殺菌し、真核細胞(ヒトの細胞)は壊さない特徴が証明されています。
その特徴から、世界中で治りかけの傷の消毒や褥瘡、口内の炎症などへの活用が期待されています。
Q.「ネオナイシン-e®」は炎症や傷口についてはいけないでしょうか?
細菌のみを殺菌し、真核細胞(ヒトの細胞)は壊さない特徴から、治りかけの口内炎や傷、皮膚のただれ、肌トラブルにはついても良いと思います。
Q.犬の歯周病原菌にポルフィロモナス・グラエ菌がありますが、「ネオナイシン-e®」はどう働きますか?
「ネオナイシン-e®」は、グラム陽性菌・グラム陰性菌・カンジダ菌に属する菌には同様に作用します。ポルフィロモナス・グラエ菌もポルフィロモナス・ジンジバリス菌等と同属のグラム陰性菌となりますので、同様に殺菌します。個別の菌への殺菌効果は、菌の属性をご確認いただけます様お願いいたします。
Q.乳酸菌自体でグラム陰性菌、真菌は殺菌できますか?
乳酸菌(「グラム陽性菌」)が抗菌ペプチド(バクテリオシン)をつくり他の菌を殺菌するメカニズムは、菌間の生存競争において、自分の似た菌(「グラム陽性菌」)を殺菌抑制して、自身が増殖生存するということです。
そして乳酸菌は、自分自身が作ったバクテリオシンで自身が死なないように自己耐性の機構を備えています。
よって乳酸菌は、自分に似た「グラム陽性菌」を殺菌することはできますが、細胞壁の外に外膜を持つ全く異なる構造の「グラム陰性菌」や「真菌・カンジダ菌」を殺菌することはできないという課題がありました。
このハードルを克服したのが「ネオナイシン-e®」です。
これまで「グラム陽性菌」だけにしか殺菌効果がなかった乳酸菌バクテリオシンの課題を、食用植物エキスを独自の配合比で組み合わせることで、「グラム陰性菌」や「カンジダ菌」への抗菌スペクトルを拡大。
今までの乳酸菌、および乳酸菌抗菌ペプチドの弱点を克服し、天然抗菌剤として理想的な「ネオナイシン-e®」の発明と特許取得に至りました。
Q.「ネオナイシン-e®」は悪玉菌のみを制し、善玉菌のみを増やしますか?
現代科学においては、
1.「すべての人体常在菌を善・悪に分類出来ていない・出来ない」
2.「同じ生きものを善・悪で分類して、片方だけを殺菌し・減らしたり、片方だけを育て・増やしたり出来るテクノロジーはない」
ということがあります。
私たちの口腔内にはまだ名前がつけられていないものも含めて約500種類の細菌が、最大1兆個ほど生息しているといわれています。
現代の最新科学においては、口腔内にいる常在菌のなかで虫歯や歯周病の原因になる菌の同定が進んではきていますが、
名前もついてないものも含めて口腔内細菌すべての善玉菌・悪玉菌の分別というのは実際には出来ていないのが事実です。
それは口腔内の場合、善玉とされる常在菌であっても状況により悪い作用をする事もあり(日和見菌とも呼ばれる)、
また逆に虫歯や歯周病の原因となる悪玉と表現される常在菌も、外部からの細菌侵入を抑制する等の良い働きをする可能性も科学的に否定できていない、
つまりすべて常在菌の善・悪の判断については、エビデンスがなく詳細が研究・解明されていないからです。
次に、細菌はグラム陽性菌・グラム陰性菌・真菌等で分類されるものであり、善玉菌・悪玉菌として分類されるものではなく、
同じ生物を善・悪と分別して選別する最新テクノロジーはないという点です。
人間や動物、虫や生物と同じ様に、「毒薬」や「殺虫剤」、「殺菌剤」を使えば、善い人も悪い人も、善い動物も悪い動物も、益虫も害虫も、人体を形成する常在菌もバイ菌・ウィルスも、善玉菌も悪玉菌も、「同時に全部、両方を殺菌」してしまいます。
逆も同じで、近年の乳酸菌ブームから美容界での「菌」への注目も増えていますが、人体に良い作用をする「善玉菌」や「美肌菌」に着目し、その「善玉菌」「美肌菌」を育てたい・増やしたいと思っても、同時に「悪玉菌をはじめ全ての菌」が増えます。
世界の最先端の乳酸菌研究、つまりプロバイオティクス・乳酸菌抗菌ペプチド(バクテリオシン)の研究において現在判明していることは以下となります。
乳酸菌が作り出す抗菌物質・抗菌ペプチド(バクテリオシン)は、種類によって異なりますが、抗菌スペクトル(範囲)が狭いものから広いものまで多く存在します。
例えば、世界で初めて発見され最も有名な「ナイシンA」は、乳酸菌バクテリオシンのなかで最も抗菌スペクトルが広く、グラム陽性菌のほとんどを殺菌します。
一方、抗菌スペクトルが狭いバクテリオシンは、特定のグラム陽性菌(生産菌の近縁のグラム陽性菌)のみしか殺菌しません。
この事を、「ある菌やバクテリオシンが特定の悪玉菌を選択して殺菌する」と言えなくもないですが、残念なことに悪くない近縁のグラム陽性菌にも一緒に殺菌してしまいます。
グラム陽性菌の近縁菌の中から、虫歯の原因となり悪玉菌とされるストレプトコッカス・ミュータンス菌「のみ」を選んで「単一殺菌」する菌・物質・バクテリオシンは世界でも未だ発見されていません。
すべての菌の中で「悪玉菌」だけを退治するということは不可能なのです。
逆に「善玉菌」「美肌菌」『のみ』に栄養を与え優位にする、「善玉菌」「美肌菌」『だけ』を増やす、ということも不可能です。
口腔内や皮膚上の「善玉菌」「美肌菌」等の存在・作用を知り着目し、「善玉菌」「美肌菌」を育てたり増やしたりすることで、口腔内の健康や美容・保湿作用を求めたいという気持ちは分かりますが、残念ながら、同時に「悪玉菌」も増やしてしまいます。
例として、乳酸菌が好む「オリゴ糖」などの栄養分を「善玉菌」「美肌菌」に与えれば、同じく「悪玉菌」にも栄養になり、「善玉菌」「美肌菌」と同時に「悪玉菌」も同じ様に増えることになります。
人体への新しい「善玉菌」「美肌菌」等の外部からの菌の定着は実際には難しく、また各人の常在菌の「善玉菌」「美肌菌」にのみに栄養を与えることはできないということは、結局は「善玉菌」「美肌菌」・「悪玉菌」等で構成される菌フローラは変わらず、栄養を与えれば比較的強い力を持つ「悪玉菌」も元気になり、さらに勢力を拡大することもあります。
つまり人体の、「悪玉菌だけを選んで殺菌する」こと、「善玉菌・美肌菌のみを増やす」ことは最新の科学技術では実現出来ない事なのです。
地球上の生物は我々人間も同じですが、それぞれが支え合って、補い合って、作用し合って生き、バランスして共存しています。
それらはすべて無意味に存在しているわけではなく、科学でそれぞれの働きや相互作用の解明が進んでいない状況で、すべてを善・悪と区別できず、優・劣と区別できないのが事実です。
また同じ人類であっても、遺伝や生活環境などによって民族・家族・各人によって唾液中細菌構成は異なる研究結果が報告されており、各人にとって数百種を超える口内細菌を善い菌か悪い菌かに分別することはできないといえます。
我々が口腔内や皮膚、腸内に持っている菌やフローラは、出生時から持っているものではなく、乳幼児の頃から頬擦りや唾液接触などにより親などから受け継ぐ菌やフローラであり、各個人に遺伝的に最適な菌が体を守っているといえます。
生きものは、人間と同じように、特定の誰か・社会にとっては善い面・悪い面ありますが、必要であるから生まれてきて存在し、それぞれの個性を持って生き、共生してます。
我々の目には見えませんが、それは同じ生物である細菌も同じです。
口腔内がトラブルに見舞われるのは、口腔内常在菌として口の中に住み、普段は問題を起こさない(何らかの役に立っている)、グラム陽性菌のひとつである虫歯菌が「増えすぎて」食べかすや糖分をエサに酸を出し歯をう蝕すること、歯間にグラム陰性菌のひとつである歯周病菌が「増えすぎて」バイオフィルムを形成し歯茎の炎症を起こすこと、口腔内が汚れて総細菌数が「増えすぎて」肺に流れ込むこと等が原因です。
オーラルピースによる口腔ケアは、口腔内常在菌として存在しながら「増えすぎて」問題を引き起こすトラブル原因菌にアプローチし、口腔内を健康で平和な状態に保つことに役立ちます。
Q.「ネオナイシン-e®」は肌の分野に活用できますか?
口腔内細菌と同じく、皮膚上のトラブル原因菌や手肌についたばい菌を、飲み込んでも安全な成分で殺菌し、素肌を清潔・健康に保つ効果、また肌残りしてもアミノ酸に分解され皮膚常在菌に悪影響を与えないというベネフィットが期待できます。
衛生用途としては、耐性菌を作らせない特徴からMRSA等の院内感染菌への対応や、皮膚のバリア機能を破壊しないで殺菌効果を発揮する特徴から、アルコール(エタノール)や合成殺菌剤、消毒剤ではなく、手が荒れない・保湿感のある、植物性食品由来の安全なサニタリーハンドケアとしての活用も期待できます。
グラム陽性菌に殺菌効果を持ちますので、手肌の痒みや匂い、汗疹や皮膚トラブルの原因である「黄色ブドウ球菌」、ニキビの原因である「アクネ菌」に対応しており、植物性食品由来の安全な殺菌剤、アクネケアへの可能性があります。
また「真菌」・「カンジダ菌」への殺菌効果も持ちますので、背中ニキビの原因とされるカビや吹き出物にも対応できます。これまでは合成殺菌剤に限られていたニキビやカビ、カンジダへの対応に対し、植物性食品由来の安全な成分でのケアとしての活用が期待されています。
さらに、皮膚上に繁殖する細菌が原因とされる体臭、加齢臭、脇臭にも、植物性食品由来の安全なデオドラントとしての活用も期待されています。
また、「ネオナイシン-e®」は、人間の摂取でもっとも害の少ない飲み込んでも安全な水と植物由来の食品原料でできていますので、肌の弱い方、敏感肌の方、アトピーで悩む方、成分の安全性を気にする方用の安全な皮膚用の殺菌成分として受け入れられると思われます。
幅広い細菌に対する効果と安全性、また細菌のみを殺菌し、真核細胞(ヒトの細胞)は壊さない特徴から、治りかけの傷や早く治したい傷、擦り傷や火傷などの消毒への活用、ニキビ跡や傷跡を残したくない人のニーズにも合致し、早く治したい傷への使用、跡を残したくない吹き出物への使用は有用性が高いと考えられます。
さらに、植物性の食品成分でできておりますので、オーガニック認証製品への殺菌成分としての活用も期待されます。
オーガニック認証製品は、IPMP(イソプロピルメチルフェノール)やトリクロサンなど石油由来の合成殺菌剤は使用できないため、これまでアクネ菌への殺菌成分としては肌のバリアをも壊してしまうアルコール(穀物由来エタノール)や臨床効果が期待できない植物エキス等しか選択肢がなく、消費者の機能性や効果への期待に応えられない現状でした。
植物性の食品成分からつくられ、2015年にヨーロッパの国際的なオーガニック認証機関での製品使用が認められた「ネオナイシン-e®」は、世界中の健康を気遣う人、安全性を求める人、オーガニック化粧品の愛好家にとって、肌のトラブル原因菌への効果の高さと安全性を両立する、これまでになかった待ち望まれていた新しい発明といえます。
今後、多くの方々のお声により、世界で初めて乳酸菌バクテリオシンの医療・ヘルスケア分野への活用の道を拓いた、日本の国立研究機関より生み出された飲み込んでも安全な乳酸菌バクテリオシン特許製剤「ネオナイシン-e®︎」の臨床研究を口腔内と同じく肌の分野に活用し、世界中の肌トラブルでお困りの方々に研究成果をお届けすることも考えられます。
※「口腔カンジダ症」
口腔カンジダ(oral candidiasis)とは、口腔内の常在菌であるカンジダの日和見感染による感染。何らかの基礎疾患や、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者、免疫抑制剤や抗菌薬の投薬治療を受けているといった全身的因子により発症、乳白色苔状の斑点が粘膜にみられます。口腔カンジダの治療は通常、口腔ケアと、抗真菌剤(カビを殺菌する強力な合成殺菌剤)の使用が行われて来ました。しかし、口腔ケアのみでは一度発症した口腔カンジダを殺菌・治癒することができず、また抗真菌薬の使用には耐性菌や副作用の問題(お腹をこわす他)があるため、飲み込んでも安全で効果の高い新たな治療剤が世界中で求められていました。